推しがいると人生が楽しい

白鳥スタイルのキャラクター大好き人間

【きらきらひかる】あとがき

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あとがき。「我往くは荒野」のときほど色々考えて書いてたわけではないんだけど、Twitterで垂れ流すには長いので。
この話は現状の青柳と白石でやりたいこと・見たいことを詰め込めたな……と思ってる。満足度が高い。
けっこう長い間青柳にまたピアノを弾いてほしいよ……という思いがあり、「四月は君の嘘」で主人公と女の子がきらきら星連弾してるのがめっちゃくちゃ好きで、「四月は君の嘘」を履修した二月辺りから青柳と東雲にピアノ連弾してほし~~と思っていた。
のだが、まあ機会もなく、今年の九月あたりになって、白石と青柳のほうが連弾できるのでは?という発想が思いついた。ノクターンで踏み込んだ白石と足踏みしていた東雲を鑑みて。青柳から一緒に弾こうというのはまだ想像つきにくかったから、東雲からピアノを聴きたいと言う事も中々ないだろうしなあ…でも白石ならいけるのでは……?もしやるなら白石杏のほうだよな~と思って。小豆沢は同じ学校ではないのでタイミングがなくてね……
それでこの間ふわーっと最初のほうの文章が思いついたので書きだしてみた。

なんかすごく難しかった~~~多分荒野とかリフティングのほうが書くの簡単だった気がする。
多分それはリフティングならこはねがリフティングやりたくなる話。荒野なら杏がBDのことを知ろうとする話。というように、最近書いたこの二つの話は0から始める話だった。
けど今回のきらきら星は青柳が弾かないとこから弾かせるとこにっていうマイナスからプラスにもってく話だったから難しかったんだと思う……

 

書き始めて、あーきらきら星なら東雲彰人より白石杏のほうが適役だな……とか思ってた。なぜなら白石杏自身が夜空に輝く星のような人であるから……私が白石杏の満天の星空のような髪がとても好きだから……きらきら星と白石杏の相性のよさ、いいじゃ~ん、となっていた。
書きだしたときは杏に図書室に迎えにいかせて、まあ色々会話してもらって青柳にピアノ弾いてもらうか~程度に考えてた。見切り発車がすごい……
音楽室のグランドピアノを最初は考えてたんだけど(映像として映えるので)、なんかそんな場所だとそもそも弾く前に「ここで勝手に弾いていいのか?」がでてきちゃうよな~と思って、音楽準備室が3つあってそこアップライトピアノが置かれてることにした。音楽準備室については私の中学にも高校にもあったから許してくれ……

私は白石杏さんのことを思いきりがいい人だと思っていて、けどデリカシーがないわけではなくて、気配りと踏み込みのバランスがすごくいい人だと思っていて、それが書けてたら……いいな……と思う。
白石杏さんが踏み込みを間違えたな~と個人的に思ってるのはユニスト15話で絶賛冬弥と疎遠中の彰人に対して「もしかして、ついに相棒に逃げられた~?」って言うシーン。あれ結構クリーンヒットだったよなあ……と思ってる。まあこのときはコンセント抜いたのを彰人だと思ってるときなので、嫌味も十分にあったとは思うけど。
東雲と白石の回想会話シーン、あんなに長くなるとはなあ……。私はノクターン白石サイスト前編で白石が自分の言動について「考えれば考えるほど軽率だったんじゃないかって思えてくる……!」って己の発言を省みてるシーンが本当に本当に好きなんですよね……
白石杏は思いきりがいい人であるし、人が躊躇ってしまう一歩を踏み出せる人でもあるんだけど、でも何も考えてないわけじゃないし、ちゃんと反省もする人だというのがわかるサイストだったので、本当に好きで……そこを書きました。
でも東雲は白石のあれらの行動を杏だからできたことで、杏が踏み込んでくれてよかったと思ってるだろうと(私は)思ってて、それを書いた。
今回、東雲と白石の回想会話は副次的に発生したものであって本題ではないんだけど、

冬弥の顔色が悪いだとか、杏の様子がおかしいとか。こはねが何かに悩んでいるだとか。そういう、三人がまだ言葉にしていない部分。ともすれば、本人さえ気づいていない不調までもを、取りこぼすことなく拾い、気にかけてくれるのが彰人だ。

この文章さ~~~~~~~~めちゃくちゃいいよね……自画自賛しちゃう……東雲彰人を語ろうと思ってなかったのについ語ってしまったよね……手が動いてた……私は東雲彰人が三人のことをよく見ていることが好きで……それはそれとして曖昧な質問されるとそれを読み取ることを中々しない人間だよなと思ってます……BBY報酬東雲後編とかまさにそんな感じだったよな~と思う。

白石杏は、それでいい

そしてこのフレーズにすべてが詰め込まれている……このフレーズに……。東雲彰人から白石杏に向けた眼差しが好きすぎて、荒野だけでは飽き足らずこっちにもねじ込んでしまった……
ノクターンでの白石のとった行動についての言及は今までしたことがなかったので、そこができたのもよかったな~と思っている。
最後軽口を叩いていつもの二人の空気に戻すのは大好きすぎて何度でもやってしまう……趣味です……

 

話は現在に戻り、冬弥に謝る杏のシーンから。ここ回想から一文で現在に戻すの難しくてどんな文ならするっと戻れるかなー?とか結構考えてた。
杏が謝って、青柳もそれに謝って、気まずくなって。えーここからピアノ弾いてもらうまでにどうもっていけば……?とか思ってた。
だって杏は悪いことしちゃったと思ってるわけだから、ここで強引に弾いてよ!に移るのは違くないか?と思って、だからきっかけづくりとして「ピアノ弾くの嫌だった?」になった。

それと、クラシックについて杏が踏み込めてしまった理由がCDショップの杏と冬弥のエリア会話由来なんですよというのを入れた。あのエリア会話が単に好きなのと、あの会話見たとき結構驚きがあったんですよね。白石杏はクラシックのこと青柳に踏み込めるんだ……という驚きと、青柳もそれに興味示すんだ……という驚き。だからこそ杏が今踏み込めてしまったわけなんだよ、という説明をした。
いつまでたっても杏が一言一言悩むのはちょっとテンポが悪いので、『踏み込みすぎているかもしれない。それは、もう一歩目を踏み出してしまった杏には効かない。』で、その話はもう終わりですよ~にした。だってこのとき杏には冬弥がピアノを弾きたそうにしているように見えてるので。そう見えてしまってるからこそ言わずにはいられなかった、という感じに。

いろいろ冬弥と会話していきながら、冬弥の感情を紐解いていく。ここで難しかったな~というのは、地の文の目線。最初のほうは杏を目線として地の文が語られてるんだけど、ゆるゆると冬弥目線に移していくのが難しかったしめんどくさかった。
それと、とにかく廊下から場所を移さないと……と思って、ゆるゆると場所を音楽準備室へと移しつつ話を続けていく。
エリア会話でビミクさんからピアノ聴かせてよって言われたときの青柳の回答が、私としてはそれは答えてないよな~とずっと思っていて、そこを交えていった。聴くに堪えない演奏になってしまう、に対してビミクさんは「つまり、弾きたくない?」と返して、青柳は「……すまない」と返してる。
杏はビミクさんと紐づけの強いキャラクターだよな~と思っており、けど別々の存在でもあるので、同じ質問(ピアノ弾いてよ)をするけど、青柳から返ってきた答えに対しては少しだけ違う反応をする、というようにした。
弾くのが嫌なわけじゃないの?上手く弾けるなら弾くってこと?上手くないと弾いちゃだめなの?という流れに。
多分青柳自身のハードルがめちゃくちゃ高くて、そう言い聞かせられて育ってきたから「上手く弾かないと聴かせられない」という強迫観念みたいなものがあるんだろうな、と思って、そこを杏に破ってもらう形になった。

そこから初期星2冬弥後編の話。
路上のバイオリン聞いて気分が悪くなってたやつ。めちゃくちゃ青柳の繊細さを表すエピソードとして好きなんだけど、それを見ていた杏はどう感じてたのかな~という。このときの杏はまだ冬弥と父のことをノクターンのときほど深く知らないので、その視線から見たらどうだったか、という話。下手なバイオリンを聞いてバイオリンの負担も大きい…って思いながら気分悪くしてるのって、(父のことなどを思い出すからというのがあったにせよ)バイオリンのこと大切に思ってるよな~と思う。

で、ここから序盤で出した「冬弥の感情はわかりにくい。杏はそう思っている。」の文章の天丼。
私は青柳と白石の「冬弥に教えてもらったカフェにこはねと行ったよ!ラムレーズンアイスがあるカフェって珍しいよね。しかもすっごく美味しいし!」のエリア会話が好きで。冬弥に教えてもらったカフェに行った報告をする杏に対して、「そうか」と返すだけの青柳なんだけど、白石が(あ……たぶんだけど、嬉しそう?)って気づくのがすごく好きで、そうやって白石だって青柳の感情の機微を拾えるようになっていくんだな……と思っていて、チームを組んでからの二人の親密さの進歩というか……理解度の深まり?みたいなものを書きたかった。

杏がさらっとピアノの鍵盤を叩いてみて、その音が綺麗だと思ったことに驚く青柳。からの、音楽が苦手だった話。
序盤でさらっと書いておいた杏は芸術の選択を音楽にしてる話をここでまたもってきて、青柳は入学時だと音楽選択してないだろうなあ……と思っているので書道にした。
まあ小学生のときも中学のときも青柳は耳がいいからこそ音楽の授業苦しかっただろうな~と思っており、学校のピアノにいい印象を持ってないだろうなとも思っており、それらを記述した。
そこから杏がきらきら星を弾きはじめるわけなんだけど、今回の話、「杏ひとり」「杏と冬弥の連弾」「冬弥ひとり」で計三回きらきら星を弾いてるカウントしてるんだけど、こんな弾くことになるとは思ってなかった……なんか流れでどうにかならないかな~と思ってたら三回も弾くことになっちゃった……一回ですぐ連弾して終わり!になるならそれに越したことはなかったんだけど……

 

きらきら星を杏が一人で弾きはじめた辺りから、めちゃくちゃモーツァルトのきらきら星を聞きまくってた。モーツァルトのきらきら星を聞いて、今回アレンジ版として参考にした角野隼人さんのきらきら星を見つけて、Adoさんがきらきら星歌ってるのも見つけて、という感じで色々見つけた。
杏が一人で弾くところは小節ごとに区切ってちょっとずつ違う話題にナチュラルに動かせていったからそこはよかったな~と思ってる。「ド、ド、ソ、ソ、ラ、ラ、ソ」が話の内容を少しずつ区切る役割を果たしてくれてる。(って書きながら気づいてた)
彰人だとここまで踏み込むことはできなくて、それは中学時代の青柳がクラシックに苦しんでた部分を見ている割合が大きいからで、でも白石は知らないからこそ踏み込んでくれる、というのを書いた。この話において、この役回りは東雲ではなく白石じゃないとできないんですよ、という必然性を提示しておきたかったんだと思う。

一緒に弾いてくれないか?と青柳が頼むところ、描写がめちゃくちゃ難しくてこの辺文章の密度少ないわりに悩んだ……やっぱり人間が自分の意見や考えを変える瞬間を描写するの、難しいよ~~~~と思ってる、本当に。
きらきら星の連弾、青柳は両手を使ってもらってもよかったんだけど、一回目で白石が弾いている鍵盤のポジションってきっと真ん中の音階だろうから、杏の場所を動かすの難しいし、とりあえず片手で杏の右側に立って高音で装飾してもらうか~になった。
真面目な話を持ち出すと、杏が弾いてるドドソソララソ~だけだとどうしても本来の変奏曲ほどの華やかさは出せないよな~と思ってはいた。「四月は君の噓」でも主人公と連弾してる女の子はちゃんと変奏曲の伴奏をしてるし。だけど、そんな細かいとこ気にする人もいないかな、というのと、そこをあえて説明しちゃうのも野暮だよな~と思って書かないことにした。あと青柳のピアノを魅せるように書けば流してくれるだろうとも。でもピアノの上手さって本当に描写するのが難しくて苦しかった……
ピアノを題材にした小説、「蜜蜂と遠雷」とか「羊と鋼の森」とか色々あるので、それを読みつつ、いいなと思った表現を使わせてもらいつつ書いた。「なんかわからないけど上手いことはわかる」って感じになってたらいいなあ……
きらきら星変奏曲くらいの難易度で世界レベルの春道の息子なら5歳くらいまでにはやってそうだよなあ……と思ってその辺の説明。きらきら星変奏曲の面白いところは変奏ごとに特徴が違っていて、それぞれがちゃんと違う曲になってるとこだと思っていて、その辺を書いた。

連弾終わる辺りでやっぱり青柳のソロでの演奏も聴きたいよな~と思ってしまって、三回目のきらきら星の流れになった。
まさかAdoさんが童謡のきらきら星を歌ってるとは思わなかったので見つけたときは驚いたんだけど、Adoさんはわりとジェナさんと声質近いよな~と思ってるというのもあり、いい参考になった。
実力の高い演奏家は座るだけで絵になる、楽器を構えるだけで絵になる、と思ってるので、それをいれて。
変奏曲がある時点で、青柳のアレンジが聴きたいなと思ってた。でもそれを父は許さなかっただろうな~とも。それで、青柳が白石の髪とピアスを見て、白石のようなきらきら星を弾こう。になり、ソロ演奏開始。
角野さんがアレンジしたきらきら星を聴いてると、レベル5~7あたりのきらきら星がなんかすごいバチバチに輝きまくってる星に聞こえてきて、そのイメージで書いた。
あと白石基準では絶対にわからないだろうけど青柳基準だと「聴くに堪えない」部分も絶対にあるだろうなと思ってて、それをいれた。まあ三年以上触ってなくてすぐ昔と同じように弾けるのもおかしな話だよな~と思ったので。片手のときは緊張とかが先に立っていて気にならなかったけどいざ両手で自分のアレンジで弾きはじめると流石に気になる、という塩梅に。

この曲の終わりは、クレッシェンドに決まってる。和音とスケールを組み合わせて、星のきらめきを奏でていく。その旋律は、豪華で派手で、とにかくうるさい。様々な音が重なり合って、激しさを増していく。これは多分、クラシックとは言いがたい。
それでいい。白石のようなきらきら星は、そうでなければ。
俺達が愛している音楽は、そういう音楽なのだから。

この辺りのクライマックスはすごく気に入ってる。

めちゃくちゃ細かいことをいうと「クラシック」って音楽ジャンルの定義は17世紀から19世紀の約400年にかけて作られた西洋の音楽のことを指してて、つまり年代で定義づけがされてるだけなんですよね。なので今作る曲がどれだけ「クラシック」ぽい曲でも、定義自体は年代によるものなのでそれはクラシックとは言わないんですよ。
だけど読み手がそんな細かいこと気にするとも思えなかったし、基本的な読み手の認識としては「クラシック」=「荘厳で格式高い音楽」みたいな意味だろうな、と思ってて。だから「うるさいし激しいこの曲はクラシックとは言いがたい」という表現にした。
厳密に言ってしまえばクラシックはある一定期間の時代に作られた音楽の総称でしかない、だから今どんなアレンジをしようともその曲はクラシックではない、というのはわかってたけど、そこ説明するのも違うしな~という感じ。
白石と青柳のきらきら星ならストリート音楽らしくならないと、という繋げ方は上手い事繋げられたな~と思ってる。よい。今二人が愛している音楽はうるさくて激しい音楽なのです。

それで最後のまとめというか、話を柔らかくするオチとして、青柳は真面目なので「あのピアノは勝手に弾いてもよかったのか?」を出す。これは読み手に対してのヘイト管理みたいな部分もある。だって私なら読んでて「青柳が学校のピアノを勝手に弾くのは違くない?青柳は真面目だからそういうところ絶対気にするでしょ」と思うだろうから。そこをちゃんと最後にオチとして書いておかないとな~と思って。
今後青柳が家でピアノを弾くのか、とか、今度は東雲も混ぜて弾き語りとかするのか、とかをいれてもよかったんだけど、なんか上手くまとまらなかったのでその辺の言及はやめた。

この話書いてるとき、途中から「青柳にピアノを弾かせるなんてしていいのか…?」「しかもそのきっかけをもたらす相手が白石って、BD原理主義者にキレられないか…?」「冬弥はこんなきっかけじゃピアノを弾くなんてしません!もっとちゃんと状況考えてから書けや!と言われるのでは…?」「というかむしろ白石推しから白石杏はこんな不用意な発言しません!と言われるのでは…?」みたいな不安がすごくて、めちゃくちゃ息が苦しかった。今はひとまず肩の荷が下りてる。

あとこの話のピアノ連弾するところ辺りからめちゃくちゃ「これ冬杏では?」とか「めっちゃ冬杏だな~~~!!!」とかテンション上がってたんだけど、カップリングタグはつけなかった。私の中でのタグづけの基準のひとつとして「性や色欲や恋愛や交際のニュアンスが入ったらカプタグつける」というのがあり、今回の話はそうではなかったので。
冬杏を好きな人に読んでもらいたいな~という思いもあったんだけど、逆に冬杏というタグがついてるから読まない人のことを考えた結果、たくさんの人に読んでほしい思いが勝ち、キャラタグのみになった。まあこの辺のこと考え出すと後ろ暗い思いが出てきますが、カップリングは宗教だからな……で自分を納得させてる。宗教なら牛食べられないのも仕方ないし断食するのも文化の一つだし。

きらきら星と白石杏の関連性の高さ、白石と青柳の父の対比、クラシックについて踏み込む白石と踏み込めない東雲をやれてよかったな~と思ってる。あと好きだったけど今まで拾えてなかったエリア会話(ラムレーズンアイス、クラシックとラップのCD、ビミクさんのピアノ弾いてくれる?発言)を拾えたのもよかったな~。寒色の好きなエリア会話全部詰め込めた、と思う!
ピアノに再び青柳が触れるタイミングが今後来るか来ないかはわからないですが(早ければ来月にもあるかもしれないの、怖すぎ)、とりあえずずっと書きたいと思っていた話を書けてよかった!